「愛のゆめ」麹造り
2004/02/28

私は少しずつ”蔵に軟禁状態”から抜け出しつつあるのですが
一日振り返るとおじさんとしか会話してない日が続いてます。
これでいいのか31歳、結婚前・・・!

「愛のゆめ」の麹造りです。
それぞれの蔵でお米に対する感じ方は違うと思うのですが
私が「愛のゆめ」の麹造りで直に思った通りを報告します。

(1日目)
9:00 蒸し・引き込み
11:00 床もみ

「愛のゆめ」の蒸米の特徴は米同士がくっつきやすく(←サバケがよくないと言います)
う〜ん、うちの蔵だけだったりして・・・
そのわりに蒸米の温度が下がるとあっという間に固い手触りに変わりました。
※米の老化が早いようです。

※=米の老化とは=
結晶構造をもっているβ-澱粉が米を蒸すことでα-澱粉へと結晶がくずれ
酵素(麹がつくる)による消化が受けやすくなります。
しかし、温度・湿度差などで再びβ化する現象を「老化」といいます。

老化しやすい米は気をつけないと米粒に麹菌がまったく生えない”破精落ち”や
表面だけに生えて内部に破精こまなかったりします。
この内部への破精込みの違いは、後にモロミに入ったときに必要な酵素力価や
清酒になったときの香りや味の成分に差がでるそうです。
ですから「愛のゆめ」を蒸して麹室に”引き込み”の段階で他の米の時よりも
ていねいにほぐし、かつ水分が必要以上にとばないよう麹室の湿度に注意しました。
蒸米が熱いうちにほぐさないとダメなので、35℃の麹室での作業はサウナ状態です。
あまり汗をかかない私でもダラダラです。でも代謝がよくなってお肌にいいかも?

麹菌をふる”床もみ”という作業もいつもより少し品温を高めにします。
老化が早いと見込んで麹菌の発芽を早めにさせるためです。

(2日目)
6:30 切り返し・盛
19:00 仲仕事
23:00 仕舞仕事

そして次の日の朝、”切り返し”というほぐす作業をするのですが
やっぱり松山三井や山田錦よりも手触りが固く感じられました。
「愛のゆめ」の麹造りは床(とこ)という台で造りました。
吟醸の麹造りは蓋麹がよく知られていますが、床麹も温度・湿度管理を気をつけてすれば
とてもいい麹ができるんです。

(左)麹室の撮影は湿度がある程度あるのでボケボケ(右)温度計をさして温度管理

なるべく麹菌の生育を進めてやりたいので室温を上げたり毛布をかけるなどして促してあげます。
麹の品温36℃、38度の二段階で手をいれてやり(仲仕事・仕舞仕事)酸素の補給をします。
仕舞仕事後は床(とこ)の下に隙間をあけたり麹全体に溝をいれたりして水分をとばしながら
生育を進めるのが普通ですが、「愛のゆめ」はもうこの段階でパリパリになってきているので
乾燥させる作業を抑えます。

この二段階の仕事の数時間でみるみる麹菌が生育しているのが見てわかります。
私はこのへんの麹の生育をみるのがとても好きで楽しいんですよねー。(麹マニア??)
だいたいどんな麹になるのかわかってくるのもこのあたりです。
考えてるとおりに育ってくれるとなおウレシイ。

(3日目)
11:00 出麹

品温が最高温度44℃になったら
それをキープさせ、香りが栗香を越したごろに
”出麹”(麹室から出す)してできあがりです。

私は松山三井と山田錦しかさわったことがないので
「愛のゆめ」の麹造りは緊張しました。

次回はモロミ&できあがったお酒について報告します。