「 山廃仕込純米大吟醸・斗瓶どり 」
2005/05/20

五月に入り、ぼーーーーっつとした日をすごしています。
毎年そうなんですが、すごい無気力感です。
ようやく休みがとれるので家でテレビをみながらごろごろするのに幸せを感じたりしてます。
日曜日のお父さん状態

前回の蔵便りではモロミの前で終わってたので続きを書きます。

清酒の仕込みは三段階(添・仲・留)にわけて仕込みます。
その理由はいっぺんに仕込むと酒母が薄まって他の野生酵母がつけいる隙をあたえてしまうからです。

2月26日 添仕込

6:00

水麹
前回で完成している
酒母+麹+仕込水を準備します
水麹温度6℃
気合を入れてつくった麹ちゃん ⇒

9:00

蒸しあがった掛米(松山三井)を水麹に入れ目標温度13℃になるよう仕込ます。
この温度調整は掛米の温度で調整します。
掛米の温度=4×(仕込目標温度−水麹の温度)+水麹の温度
今回の掛米の温度 → 4×(13−6)+6=34℃

16:00 頃

タンクの表面に酵母がだす炭酸ガスで押し上げられた蒸し米がもりあがってきていたら
櫂でガス抜きをします。もりあがってきてなかったら、酵母がまだ繁殖しはじめていなかったり
するのでしません。

2月27日 踊り

この日は仕込をしない日です。
酵母を十分繁殖させる意味もあって「第二の酒母」ともいわれ、品温が下がらないよう気をつけます。
またしっかり繁殖させることを「踊りを躍らせる」とか言います。朝、櫂でガスぬき。
櫂を入れるとブスブスという音がしてガスが抜け品温14.5℃まで上がってきてます。元気、元気。
夕方、添は物量が少なく品温保持のため小さめのタンクで仕込んでるのでモロミを大きめのタンクに移動する
「添がえし」をします。力仕事です。
気温が低かったり、踊りの状態がおくれていたら次の日の仲仕込前にします。

2月28日 仲仕込

添仕込と同じ要領で仕込目標温度8℃

3月1日 留仕込

またもや同じ要領で仕込目標温度7℃
ここから搾りまで、櫂入れと温度管理の日々がはじまります
よく言われるモロミ日数とは「留仕込」を1日目で数えます

品温が少しずつ上がり始めます

3月5日
(5日目)

10℃ 筋泡から水泡
表面のあちこちから湧き出るように
軽い泡がでてきてます
3月7日
(7日目)
10℃ ※ 「追水」…後で説明します
3月9日
(9日目)
11℃ 高泡、文字通りネバい泡がもりあがってきます

3月14日
(14日目)

11℃ 落泡から玉泡
泡が下がってきて、軽い泡が残ります
泡(泡中に酵母がいっぱい)が落ちたことによって
発酵が急に進みだすことがあるので品温が上がりすぎないように注意!

3月16日
(16日目)

10.5℃ 地(じ)
表面を覆っていた泡が消え
何も浮いてない状態です
地の頃がだいたいモロミ管理の
中間地点でしょうか・・・多分
2日に1回は濾液の分析をしてボーメのキレ方を判断
なんとなくキレが悪いようなので品温が気温で下がらないよう注意する

3月25日
(25日目)

11℃から9℃へ モロミの後半、思い切って序々に品温下げる
不安なので毎日濾液を分析して、きき酒もします
この日の分析、日本酒度-7、アルコール度16.3%、酸度2.0、アミノ酸度1.6

3月30日
(30日目)

8℃ 分析、日本酒度-3、アルコール度17.3%、酸度2.0、アミノ酸度1.7
きき酒するとだいぶん味がどっしりしてきた(ような気がする)
上槽をいつにするかそろそろ決めます

4月1日
(32日目)

上槽。袋吊りして斗瓶どり・・・これは私にとって初チャレンジの
全国新酒鑑評会にも出品しました!


モロミ管理ははっきり言って未知との遭遇でした。
基本的な数字に関してはだいたいわかっていたつもりなんですが、実際やってみると応用がいっぱい!
新米杜氏として一番、悩んだのが 「追水」(=おいみず)と 「上槽のタイミング」でした。

日本酒のモロミは酵母のアルコール発酵と麹の糖化をバランスよく同時進行させていく「並行複発酵」なのですが
麹の糖化力が強すぎたり酵母が少し弱ってきたりしたとき ※ 「追水」という作業をします。
作業としては仕込水を少し加えるだけなのですが(混ぜない)、それだけで発酵のキレがよくなったりします。
ああ生き物やわ〜と実感する時です。

今回は3月7日(7日目)に濾液を分析したところ思ったより糖化が進んでいて、その濃度で酵母を圧迫しないよう
「追水」をしました。「上槽のタイミング」は難しかったです。
数字で決めるのはやめようと思ってましたのでモロミの後半は濾液をきき酒していたのですが
毎日味が全然ちがう!本当です。
もしかしたら明日のほうがもっとおいしくなってるかもしれない、よし明日にしよう。
でもタイミングを過ぎると雑味がでてとりかえしがつかない、やっぱり今日か?ってカンジで
毎日きき酒で酔っぱらって、1時間ぐらいモンモンと悩んでました。
多分もっと経験をつまないといけないのでしょうね。

・・・ところで今日は5月20日、実は全国新酒鑑評会の発表の日でした。
な、なんと、今つらつらと書いてきた「山廃仕込純米大吟醸」の斗瓶どりが入賞酒に選ばれました!
(金賞ではありません、銀賞みたいなもんです)
でも、うれしーっ、小躍りしそうです。やったやったー!
ほとんどの蔵が「山田錦」で出品してるんですが「松山三井」(それも精米50%!)で入賞できたので
うれしさ倍増!! 一年目で入賞してしまいました。信じられません。

そうそう、書き忘れが・・・・
この「山廃仕込純米大吟醸」と「斗瓶どり(しずく酒)」は瓶詰めされてただいま冷蔵庫で熟成中です。
皆様にお会いできるのは秋ごろの予定です。どんな熟成をするのか楽しみです!

5月26日に全国新酒鑑評会の公開日で広島へ行きます。
新米杜氏の広島デビューを報告しますね。ドキドキ。