「 全国新酒鑑評会&第7回蔵女性サミット(長野) 」
2005/07/05

四国が渇水危機にさらされてると言われてましたが7月にはいっていきなりの大雨!
この季節、車を運転するとアマガエルがボンネットで3匹は跳ねてます。
(田んぼと駐車場の区別がない?ということ)
フロントガラスに貼り付こうが気にせずそのまま運転、ああ梅雨ですね。

5月25日全国新酒鑑評会(広島県西条市)へ行きました。

杜氏として初めての鑑評会。
やっぱり今までと感覚が違いましたよー。
建物の外から順番に並ぶのですが
自分の造った酒があるのかと思うと
うれしいようなドキドキするようなカンジです。
出品酒は全国から1019点ありました。

私は前回紹介した
松山三井精米歩合50%の山廃仕込純米大吟醸を
第U部へ出品しました。

●第T部 出品数 921点
原料米として山田錦を単独または
山田錦の使用割合が50%を越えて製造した吟醸酒
●第U部 出品数 98点
原料米として山田錦以外の品種を単独または併用
あるいは山田錦の使用割合が原料米の50%以下で
製造した吟醸酒

午前10時から開場なのですが9時半ごろから並んで、きき酒にたどりつくまで1時間ぐらいは順番待ちです。
私はなるべく全国の出品酒をくまなくきき酒するようにしています。
近年思うのですが、酒質の幅がどんどんひろがってきたように感じます。
地域によって味がちがうのは当然ですが、一時の淡麗に右へならえしていた傾向もなくなってきました。

清酒は嗜好品なので要はバランスなのだということですね。
酒飲みの私としてはうれしいです。でもやはり山田錦の出品は多いです。
「森の翠」は今年山田錦を使ってないので、やむをえずという感じで
第T部へ出品しましたが、造り手からすると、やはり山田錦を使いたい
という願望もあります。

しかし、これでは地酒の意味がないというのも葛藤としてあります。
今年、愛媛県産の松山三井50%で出品して入賞をいただけたというのは
今までの私の酒造りに対する既成概念を新しい視点でみれるきっかけに
なるでしょう。

真面目に語ってしまいました。気分を変えて・・・

6月4〜5日「第7回 蔵女性サミット」へ行ってきました!
今年は長野県で開催です。全国から約20名集まりました。
長野県長野市は遠かった&きれいでした。
冬期オリンピックが開催された名残が町のあちらこちらで見られました
場所はJR長野駅から車で約30分の
信州高山温泉郷 風景館にて

温泉郷・・・いいひびきです。うっとりですね
長野駅からたった30分で静かな温泉郷があるとはスバラシイ
ひっそりとした秘境のような所でした
150段の石段を下りていく渓谷を見ながらの露天風呂
心が洗われました

帰り石段をのぼるのは足がつりそうでしたが・・・

←部屋から外を見ると山がせまってます
ここから150段下に露天風呂がありました

いえいえ遊んでばかりでもありませんよ。
初日は長野県醸造試験場にてアルプス酵母の開発に功績を残された 農学博士 馬場茂先生の
基調講演を拝聴しました。アルプス酵母といえば一世を風靡した酵母。
愛媛酵母も同じような道をたどっているようなのでいろいろと質問をさせていただきました。
長野県は蔵が90醸もあり、標高差があるため同じ酵母を使っても味の差が出やすいそうです。
また流行の酵母を使う場合は酵母に依存するのではなく、蔵独自のコンセプトをしっかりもって使うようにと
ご指導をいただきました。ナルホド、そのとおり。
そのほか先生の話で心に残ったのは以下のような内容。
長野県では醸造学を専門としていない新しい視点をもったオーナーのいる蔵が伸びているとのこと。
これからは ”うまい酒” をつくるのが前提になっており、スタイルの決定の競争になるだろう。
だからといって、やみくもに蔵のスタイルを変えて日本酒を売って失敗している蔵も多く、その理由として
米を主食にしている文化が日本に根付いていることを忘れているからである、云々。

「森の翠」においては現在、酒造りを続けることで精一杯!ってカンジなので
やみくもに ”蔵のスタイルを変える” ことすらできないのですが (私こんなこと書いて大丈夫かしら)
米文化を基本にしつつ柔軟なスタイルを持つことは小さな蔵だからこそかえって可能かも。
先生からは日本酒業界のムムムと、うなるようなダメ出しをたくさんいただきました。
五感に自信がなくなったら酒造りはやめたほうがいい、とか。

講演後、先生を交えて懇親会(飲み会)なんと私の前に馬場先生が!
あっ、今気がついたのですがこんなにも馬場先生のことを書いておきながら一枚もデジカメで撮っていない!
お歳は60代半ばの渋い先生でした。(ご想像ください、すみません)
せっかくなので「森の翠」の ”山廃仕込純米酒 無濾過生原酒” を飲んでいただきました。(お酒は持ち寄り)
酸のバランスをほめていただき(やったー) こういう酒は熟成させてもおいしいと言っていただきました。
お料理は川魚と珍しい山菜のオンパレードでした。日本酒にあうあう。

それからは一年ぶりに会ったメンバーとしゃべりまくり。
私と同じく今年から杜氏をしなくてはならなくなった兵庫県姫路市の「灘菊」の川石光佐さんと
蔵のぶっちゃけ話で大ウケの連発
「えーっ、それやばいんでないのー」「意外と大丈夫やって!」
「そうよなーなんとかなるもんやねー…無理やりやけど、あはは」というカンジ。(お互い)
あと隣の席だった愛知県半田市の「初夢桜」天埜酒造鰍フ天埜幹子さんとも、たくさんお話したような
たくさん飲んだような・・・部屋に帰って温泉にはいって寝るまで、ズーっとしゃべりまくり。
いつまでしゃべるんや!って止める人もいないので次の日やっぱり声がかれ気味でした。
そうそう毎年恒例になってます同室のご紹介

左から石川県 御祖酒造株式会社
銘柄「ほまれ」の専務取締役 藤田美穂さん
生まれてから最近まで東京で暮らしてたそうですが
ひょんなことから蔵を継がなくてはいけなくなったそうで
現在、大変努力なさっておられます
他業界から酒業界に入られた方なので
とてもお話が興味深かったです!
真ん中が京都府 竹野酒造有限会社 銘柄「弥栄鶴」の奥様 行待恵子さん
この方はこう見えても二十歳ぐらいの息子さんがいらっしゃいます (若いー!)
後継ぎの女性で大変ご苦労されたそうで酒の業界で女性が受け入れられたのはここ最近だと実感させられました

右端が去年も同室だった 奈良県長龍酒造株式会社広陵蔵 浅井由里さん
私と同じく従業員で酒造りにどっぷりとはまってらっしゃる方で、今度、技能試験を受けるそうです
社員仕込みでバリバリにされてるお蔵なのでうちの蔵も今年からそうだよと話していると
ここでもお互いぶっちゃけ話が炸裂、あー面白かった、内容は書くことができませんが

次の日の午前は討論会
お互いの蔵の問題や成功例などを紹介したり
(立場が違うおのおのが意見を交換)
また来年の会についての話し合いをしました。

立ってる方とその左側の方が今回幹事をされた
長野県高沢酒造梶@高沢賀代子さん
(有)千野酒造場 千野麻里子さん

そうそうここで宣伝を・・・
平成18年第8回女性蔵サミットは昨年名古屋と同様に
東京でイベント形式をとります。
日程は平成18年6月3日(土曜日)の予定です。
くわしいことは未定ですがこれを読まれている
東京方面の方、パワフルな会になると思います。
是非いらしてくださいね!

午後からはお昼ごはんを食べて、高沢酒造さんへ蔵見学へゴー
またまた去年と同様、お昼ごはんの紹介ー
笹寿司&山菜天ぷら&山菜味噌煮込みうどん〜パチパチ
馬場先生の写真は撮れてなくともお昼ごはんは撮ってます (再びすみません)
山菜はとっても甘味があって、味付けはしっかりと濃いめ (四国人だからかも) おいしかったです、満足満足

その後、小布施町の銘柄「米川」高沢酒造鰍ウんへ訪問

和釜を使っているそうです
長野県は造りの期間中、氷点下になることが
多く、洗米後、凍らないようにするための作業
などを教えてくれました。
愛媛では考えられないことです!
趣のある蔵の入り口 奥には
酒造りを見守っている(?)
ワンちゃん

その後は全国でも有名な小布施町を観光に行きました。
観光地エリアにも酒蔵が二つあり、少しお邪魔させていただきました。

銘柄「本吉乃川」鰹シ葉屋本店さん
特別に蔵を見せていただきました。

麹をつくる大箱をみせていただき「森の翠」の大箱と
深さも創りも全然違うのを実感。
それぞれの蔵で受け継いできたものがあるんでしょうね。
松葉屋本店さんには立派なレンガ造りの煙突があり
観光客にその煙突がある庭を開放していました。
「森の翠」の煙突は一見お風呂やさんみたい
(私こんなこと書いて大丈夫かしら再び)なのですが
松葉屋本店さんは古きよき時代を感じさせる煙突でした。

小布施に行かれる時はオススメポイントです。

もう一軒は、銘柄「枡一」枡一市村酒造場
知ってる人は知っている最近有名な蔵です。(アメリカから来たセーラ・マリ・カミングスさんが再構築された蔵)
観光客が楽しめるような店構えで大きくおしゃれできれいな蔵でした。
中にカウンターがあって渋いおじさんがお酒をすすめてくれます。
私はここで帰りの時刻がきてしまい、残念ながらゆっくり見させてもらうことができませんでした。
でも思いもかけず蔵をたくさんみることができ得した気分でした。
とりあえずご当地ソフトクリーム「小布施栗ソフト」を堪能し、長野県をあとにしました。

今回皆さんと話をしていて安心したことがあります。
私は初めて杜氏として酒造りをしてみて感じた孤独感なんかも杜氏をすれば普通に感じるんだということを
教えてもらいました。私もまだまだですね。がんばらなきゃ。

7月下旬に初めての南部杜氏協会夏季研修に行ってきます(於 岩手県)
先輩方がいっぱいです。うわー緊張しそう。またもやドキドキな報告をしますね。