「 酒蔵めぐりの一週間 」
2007/07/10

梅雨真っ最中の7月です。
私は5月末までに無理やり蔵の片づけを済ませて、やっと落ち着いたところです。
この時期は緊張から解き放たれて毎年どこかに逃亡(問題発言)したくなるのですが
今年は行ってまいりました!お得意先をまわるのと知人のいる酒蔵めぐりをしてきました。
6月25日から1週間、京都、富山、石川、大阪、和歌山、奈良へと…
まさしく指名手配犯人のようなスケジュール。今回は酒蔵めぐりのご報告です。

6月27日(火)
石川県羽咋市大町イ8 御祖谷酒造(銘柄「ほまれ」「遊穂」)へゴー

富山県のお得意さんに寄った後、JR北陸本線「はくたか」に乗って金沢駅へ


乗り換え能登半島方面の七尾線ホームで女子高生たちに横目で見られながら
富山県のお得意さんにいただいた「鱒寿司」に一人でかぶりつく私
鱒寿司は旨みが濃くておいしすぎるー!わさびつけるとこれもまた違った味わい。
ここでビール飲みたいけどぐっとガマン。女子高生も二十年たったらこうなるのよ〜

そうこうするうちにホームに入ってきた七尾線普通電車に乗ってのどかな風景に癒されつつ能登部駅で下車。
以前女性蔵サミットで同室だった蔵元さん、藤田美穂さんが車で迎えにきてくれてました。
←いくこの蔵便り2005年「女性蔵サミット」(写真)

この冬の能登半島の地震では震度6弱だったそうですが
被害はなかったそうです。
藤田さんとは最初会った時から気を使わなくても
お話がどんどんできたんですよね。
女性蔵サミットで同室だったときも夜遅くまでしゃべりすぎ。
それも声が枯れるまで。
今回も蔵の中、車の運転中、ずーっと思ってること
べらべらしゃべりまくり。
毎年冬が終わるといろいろ考えることがあるんですよね。

藤田さんは杜氏さんと信頼関係を大事にされて
らっしゃいました。なんでも杜氏と相談できるそうです。
これはけっこう難しい。

冬場人数の少ない酒造りの現場は閉鎖的になってしまうので、そういう関係は客観的に酒造りをするには
大事なんだと思います。藤田さんの気取らずがんばってらっしゃる姿に(ご苦労は多いはずなんですが)
思わず「かっこいい〜」の一言です。

私もいろいろ思っていることを話すと本当に親身になって答えてくださいました。感謝です。
能登杜氏の横道杜氏のお酒はきれいでかつぐっとくる押しがある味わいです。
夜は金沢市香林坊”酒房 猩猩”にて「遊穂」と鴨で一杯。幸せ。おいしかったー♪

6月28日(木)
和歌山県海南市藤白758-45 中野BC株式会社(銘柄「長久」)

JRきのくに線「くろしお」にて海南駅で下車
タクシーの運転手さんが車のエアコンの前につってる「宝くじ必勝風鈴」について語ってくれたのがおもしろかった。
(運転中リンリン♪鳴りまくり)
こちらの蔵には私が大学4年のとき、大学院2年の
我藤伸樹先輩が杜氏としていらっしゃる蔵です。
農学部農芸化学学科発酵学研究室ができた時の一期生で研究室ではじめて杜氏になられた先輩です。

毎年全国の新酒鑑評会でしかお会いできなかったのですが、今年蔵見学させていただきました。
すごい大きな蔵でした!

今まで講本の図でしか見たことがなかったのですが
連続式蒸米機と自動機械製麹機を見学させて
いただきました。


タンクも篠永酒造で大きいとされているタンクの7倍のタンクがいっぱい。ただただでる言葉は「うわーすごい」の連続。
大きい仕込みとは別に小さい仕込みの吟醸などはやっぱり丁寧に手作りでされてるそうです。
新しい麹室もあって、乾湿の調整がしっかりできるようになっていました。

それから銘柄「長久」といえば”梅酒”で有名な蔵です。さすが和歌山。
ちょうど梅酒の時期で蔵が活気に満ち溢れてました。(夏場こんなに活気がある酒蔵ってはじめてみた!)
蔵は梅のいい香りでいっぱい。
緑茶梅酒を試飲させていただきました。梅酒の酸味がまろやかになってこくがありました。
京都の酒屋さんが「緑茶梅酒は焼き鳥屋さんで人気があるよー」と言っていたのがうなずけます。
色は濃い緑色、このほかに黄色いはちみつ梅酒、赤い梅酒と見た目でも楽しいっ。
並べて飲みたいところです。
若い女性社員さんが考えたという「シークワーサー梅酒」もおいしかった。限定だそうです。
我藤先輩は今そのリキュールの開発などをされてるそうです。う〜んすごいなー、先輩。
またいろいろ勉強させてください。お忙しい中ありがとうございました。

それから蔵の横には「長久邸」があり
白鳥がいる庭園があります。

蔵見学と観光ができるようになってるそうです。
和歌山に行かれる方は是非!


6月29日(金)
奈良県葛白市東室27 梅乃宿酒造株式会社

近鉄新庄駅で下車。癒し系ののどかな盆地地帯。
こちらの蔵には昨年、この蔵便りでも紹介した
愛媛県西条市出身の佐伯麻優子さんが
蔵人さんでいらっしゃいます。
←いくこの蔵便り「 有朋自遠方來、不亦楽乎 」(写真)

南部杜氏の高橋杜氏のもと頭さん(蔵のナンバー2)
ぐらいの実力者でしょう。
彼女はなんせバリバリの蔵人です。
その落ち着いた雰囲気には着実に積んでる経験値を
感じます。すぐアワアワしてしまう私は反省です。
山廃酒母や生モト酒母を得意とされている蔵で
今年、山廃酒母を暖冬で悩んだ私はいろいろ教えて
いただきました。

私の恩師佐藤杜氏と同じ南部杜氏さんがいらっしゃってるので細かく聞くと山廃酒母はほぼ同じやり方でした。
(蔵によってけっこう違うのですが)
そして教わったのは結局”基本に忠実に”でした。やっぱり…?

梅乃宿酒造さんも梅酒で有名です。
仕込みの工夫がいっぱいで興味深かったです。活気みちみち!
そして平均年齢が若いっ!ぴちぴちしてました。
(何見に行ってるんだか…スミマセン)

銘柄の所以になる300年以上の梅の木も見させていただきました。
どの蔵にもそれなりの歴史があって風情があるのですが
奈良県の酒蔵は古都の風格が感じられました。

梅乃宿さんを後にして佐伯さんの案内で、奈良県桜井市にある
日本三大酒神神社「大神神社」(三輪神社)へ参拝させて頂きました。
旅の予定にいれてなかったので感動です。
このご報告は次回。

蔵行脚はとてもいい刺激になりました。
人物の写真を撮るのを忘れてて残念です。
しゃべりすぎで忘れてしまってます。
続きの蔵便りがんばって書きます。


今月末は岩手に南部杜氏の夏季講習です。「どんと晴れ」の地元です。夏美さんいるかな?