森の翠 「大吟醸斗瓶とり」 蔵見学  2006.03.08

「斗瓶とりをするんですが見に来ませんか?」と育子さんからの連絡をもらい
午前中の配達を早めに済ませ (実はヒマ) 篠永酒造までひとっ走り。
呼び出しブザーを押すと、いつも笑顔のステキな専務夫人が 「どうぞ、奥にいますから・・・」
ならば!と、迷路のような蔵の奥へ案内もなく勝手に入っていきました。
古色蒼然、鬱蒼とした造りは、醸造蔵然とした、まさに昔ながらのたたずまいの「森の翠」です。



「ちょうど良かった、今から始めるところです。一年に一度のことで手順も忘れてしまったみたいなんですよ。
・・・じゃぁ、そろそろ、やりますか (育子) 」   「おぉ、始めるかい・・・(専務)」  
そんな何とも言えず、おっとりした感じで作業が始まりました。
総勢4人で、いよいよ、今年最初で最後の斗瓶とり袋吊りの開始です。

小ぶりのタンクを、そっと覗き込むと
山田錦35%精白・大吟醸のモロミはしっとりと落ち着き
独特の爽やかで、涼やかな甘い香りが心地良く上がってきます。
そうそう、この香り! 日本酒とは思えないような大好きな香りです。
用意した酒袋は40枚
一袋に約10g くらいずつモロミを入れていきます。

おばさんが袋の口を開き、育子さんがモロミを注ぎ入れ
おじさんが袋の口をしっかりと掴んで専務に渡すと
専務がタンクの周囲に均等に取り付けた紐に
順番に括り付けて(袋吊り)いきます。





タンクの周囲に沿って酒袋が2周するうちに、最初は白濁した酒が勢いよく
流れ出てきますが、次第に勢いも納まり澄んだ酒に変わってきます。

合計40袋=約400g のモロミが袋吊りされ、強制的に搾ったものではなく
自然の重みで滴り落ちてきた酒が、タンクの底から5本の斗瓶(20g入)に
移されていきます。斗瓶には、1〜5番の番号がつけられていて最後の斗瓶に
酒が満たされるのは、明日の今頃 (丸一昼夜かかる) とのことでした。
「最後の方は、糸を引くような酒になりますから・・・(専務)」

白濁した状態が落ち着き、澄んだ酒が出始めると、斗瓶に入れ始めます。
できるだけ空気にも触れないよう、注入口もしっかりと密封し細心の注意を
払っているのが、よく分かります。




斗瓶とりが始まって暫らくして、専務が 「利いてみますか?」
まずは育子さんが最初に香りをかぎ、次に口に含みます。 ちょっと緊張の一瞬!
真剣な表情だった彼女がニコッと安心したような笑顔に・・・ お酒の出来具合を全て表しているように感じました。



数日後、蔵へ伺うと満杯になった5本の斗瓶には大切に覆いがかけられていました。
袋吊り終了後、蔵の人達皆んなで利き酒をして、県の鑑評会や全国新酒鑑評会へ送ったそうです。

今年は、この酒が 「 森の翠 しずく 」 として皆さんにお届けできるはずです。 楽しみにしていてください。